今回のテーマは、最近Web業界で話題になっている「ゼロクリック検索」とその対策についてです。
近年、「検索順位は上がっているのにアクセスが伸びない」と感じている企業も少なくありません。その背景の一つとして指摘されているのが、この「ゼロクリック検索」です。
Googleの検索エンジンは日々進化していますが、それに伴い「検索したのに、どのサイトもクリックせずに離脱する」ユーザーが増えていると言われています。
貴社のWebサイトも、知らないうちにその影響を受けているかもしれません。
今回は、ゼロクリック検索とは何か、サイトへの影響や従来のSEOとの違い、そしてこれから意識したい対策についてご紹介します。
ゼロクリック検索とは、ユーザーがGoogleなどでキーワード検索をした際、検索結果の画面(SERP:Search Engine Results Page)上で疑問が解決してしまい、どのWebサイトにもアクセスせずに検索を終えてしまう現象のことです。
SERP(サープ)とは、検索を行った際に表示される「検索結果ページ」のことを指します。この画面には通常の検索結果だけでなく、強調スニペット、FAQ、地図情報、動画、画像など、さまざまな情報が表示されるようになっています。
検索画面の一番上に答えが直接表示される機能に加え、2025年9月には「AIモード」が日本でも提供開始されました。
AIモードは、ユーザーの質問に対してAIが複数の情報源をもとに回答を生成し、Webサイトにアクセスしなくても疑問が解決できる体験を提供するものです。
こうした機能の拡大により、検索結果ページ自体が「情報提供の場」として完結するケースが増えてきています。
ゼロクリック検索が増加することで、Webサイトには次のような変化が起こります。
まず考えられるのが、アクセス数(流入数)の減少です。検索結果で上位に表示されていても、ユーザーがクリックしなければ訪問数は増えません。
また、サイトに訪れないため、お問い合わせや資料請求、商品購入などのコンバージョン機会にも影響する可能性があります。
一方で見方を変えると、簡単な疑問を持つユーザーは検索結果だけで満足し、サイトに訪れるのは「より深く知りたい」「具体的に検討したい」という関心度の高いユーザーに絞られていくとも言えます。
つまり、アクセス数の変化だけでなく、
ユーザーの質や役割が変化しているとも捉えることができます。
これまでのSEO対策は、「検索上位に表示させて、サイトへのクリック(アクセス)を増やすこと」が主な目的とされてきました。
しかし、ゼロクリック検索の広がりによって、検索の役割そのものが少しずつ変化しています。
従来の検索は、ユーザーが情報を探すための「入口」でした。検索結果からWebサイトへ移動し、その中で詳しい情報を読む、という流れです。
一方で現在は、検索結果ページそのものが「情報を得る場所」として機能し始めています。
AIによる回答生成や強調スニペットなどにより、検索結果の画面上で基本的な疑問が解決してしまうケースも増えています。
こうした環境では、「検索順位を上げる」→「クリックが増える」という単純な関係だけでは、成果を測りにくくなってきます。
その代わりに重要になってくるのが、検索結果の段階で
・企業名
・専門性
・信頼感
といった情報がユーザーに伝わることです。
そして、さらに詳しく知りたいユーザーに対しては、自社ならではの独自コンテンツによってサイトへ自然に誘導していく設計が求められます。
つまりこれからのSEOは、「クリックされること」だけでなく、検索結果の中でどのように認識されるかまで含めた設計が重要になってきていると言えるでしょう。
では、これからWebサイトはどのような対策を考えるべきでしょうか。ここでは代表的なポイントを3つご紹介します。
【対策1:自社ならではの「独自コンテンツ」を強化する】
AIや検索エンジンが要約できる一般的な情報だけでは、検索結果上で情報が完結してしまいます。
そのため、「この会社だからこそ発信できる情報」を増やすことが重要になります。
例えば、
・具体的な導入事例
・顧客の声
・社員インタビュー
・独自の調査データ
・現場のノウハウ
といったコンテンツは、他社が簡単に再現できません。
さらに近年は、企業の考え方や組織文化そのものも重要な独自コンテンツになっています。
どのような理念で事業を行っているのか。
どんな価値観で顧客と向き合っているのか。
社員はどのような想いで仕事に取り組んでいるのか。
こうした情報は、商品説明とは異なり、企業の信頼感やブランドイメージを形成する重要な要素です。
AIには簡単に生成できない、企業固有の背景やストーリーを伝えることで、読者に「もっと知りたい」と感じてもらうことができます。
【対策2:検索結果に選ばれる「質の高いFAQ」を用意する】
ユーザーのよくある疑問を整理した「よくある質問(FAQ)」ページを整備することも有効です。
適切に構造化データを設定することで、検索結果の「強調スニペット」などに自社の回答が表示される可能性があります。
これにより、クリックされなくても情報発信元としての存在感を示すことができます。
【対策3:流入経路の多様化(SNSやメルマガとの連携)】
検索エンジンからのアクセスだけに依存するリスクを減らすため、流入経路を分散させることも重要です。
Googleビジネスプロフィール(MEO)によるマップ検索、SNS(X、Instagramなど)、LINE、メールマガジンなどを通じて顧客との接点を複数持つことが、安定した集客につながります。
ゼロクリック検索の広がりは、SEOが不要になるという意味ではありません。むしろ、検索エンジンの役割や、Webサイトの役割が少しずつ変化していることを示していると言えるでしょう。
検索結果の画面は、単に「サイトへ誘導する入口」ではなく、企業やサービスを知る最初の接点にもなりつつあります。
そのため今後は、
・検索結果上での情報の見え方
・企業としての信頼感や専門性の伝え方
・サイト内でしか読めない独自コンテンツ
といった視点を意識したWeb運用が、これまで以上に重要になっていくと考えられます。
検索環境は今後も変化を続ける可能性がありますが、ユーザーにとって価値のある情報を丁寧に発信していくことが、結果として長く選ばれるWebサイトにつながるのではないでしょうか。
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